多摩川夢工場

 そのかわり本を一冊読めた。「多摩川夢工場(黒須紀一郎)」。戦後の日活最盛期の物語である。映画作りの熱情がビンビンと伝わってくる力作。映画がTVと同じく、集団の労働のなかで出来上がってくる過程がよく書けている。そのなかで出てくる人間関係や、そのなかでの泳ぎ方の様々。我が旧の職場で経験した様々なことが、もっと大規模に行われている様は、共感するところもあり、懐かしくもあった。特に個性豊かな人々の群像は、社会の未来を予言するようで、素晴らしかった。

多摩川夢工場

多摩川夢工場