ザ ラストサムライ

 DVDで見たのだが、感想を書く気になってしまった。時代の転換点にたった群像の物語である。アメリカ騎兵隊でインデアンを殺戮してきた大尉が、日本にきて現地の人々の気に目覚める。ついにそれに同化して戦うのだ。けれども明治の物語にしては、闘いはどう見ても300年前の長篠の合戦に見えてしまう。明治初めの抵抗運動の秩父困民党に材料を求めてもちょっとむりがありそうだ。吉野という日本の「抵抗勢力」の歴史に登場する場が設定されているのだが、なぜか富士がでてきたり・・。まあ、アメリカの映画だからいいかも。もうひとつ明治天皇が「気弱い良心派」に描かれているのも気に入らない。
 時代の転換点でその時代にに流されて、抵抗むなしく散る「守旧派」??の人々。現代になぞらえるとどうなるのだろう。おそらく2つの見方に分かれるに違いない。「九条を変えて平和のための?戦争に行くのが世界の流れ」と言う人と、「九条こそが次の平和世界の主流になるのだ。」という人と。私としては後者に組したい。明治の「変革」は、その500年前に後醍醐が目論んで果たせなかった「王政復古」というグローバル化に名を借りた、庶民そっちのけの変革だったと私は思うのだけれども。
 でも、この映画、私にとっては涙涙でありました。また演歌をうなりたくなりました???あ、関係ないですかな??