シティーFM問題

 岡山県労会議の関連で、シティーFMのAさんの交渉に付き合った。スタッフの少ない現場で放送業務のほとんど全てをまかされ、昨年などは4時出勤で夜の10時、11時まで、月の半分は職場に泊まってしまうという状態が続いたという。それで管理職だと言う事で超勤手当ては出ない。たまりかねて労働組合に加入しての改善要求であった。過去の超勤不払い問題では会社側とは埋めきれない対立が続いているが、それ以後勤務状態はかなり改善されたという。実は経営側も深刻な状態をあまりつかんでいなかったらしい。まだまだ交渉は続く。
 実はラジオは今、深刻な危機にある。地元の大手RSKでさえ、ラジオ売上の落ち込みは想像を絶する様子。全国でもラジオの広告費総売上はネットの広告費に抜かれてしまったという。ラジオをいかに立てなおすかは、労働組合である民放労連でも大きな課題としていつも論議されている。
 コミュニティーFMは、岡山市第三セクター的存在として、商工会議所や商店街の大きな期待をになって9年前に発足した。当初は自主制作番組も多く聴取者も多かったようだが、最近は東京のネット番組が増え、なかなか聞かれなくなってきたようすである。それも売上減少にともなう合理化らしい。商工会議所も会員の減少でそれどころではない・・・らしい。商店街もしかり。ようするに「ジリ貧」におちいっているのである。そこで労働者がまさに奴隷的労働で放送を維持している・・・という悲しい実態がおこっているのだ。
 これは、どうしても今の全国一極集中状態の打破、ローカルの町おこしという根本問題を抜きには語れない問題だ。特に行政の責任は大きいと思う。民活とかいって、商工会議所や商店街にまかせっきりでは解決できない実態がありそうである。初心に返って、岡山市の責任マスコミとしてのシティーFMをどうしていくのか、やはり岡山市の行政をも巻き込んだ闘いに発展させていく必要を感じてしまった。
 「放送スタッフユニオン岡山」の発足を前に、やはりこの方向にしか運動の展望は無いのだと、確信を深めた一日であった。