北京オリンピック

 イオンのスポーツクラブで、時々休みながら女子マラソンを見てしまった。
 中村選手は健闘したが、どうも今回の日本選手団は苦戦続きのようだ。期待が大きすぎるのかもしれないが、このところの成績が今の日本なのだろう。金の多くがアテネからの連覇とは、次回は困難ということだ。女子マラソンにしても、層の厚さが言われていたのだが、一変に「薄さ」に変わってしまった。何しろマラソン2回目の人が代表になるのだから・・・。
 それにしても、陸上100mのジャマイカ。男子は驚異的な世界新。女子は金銀銅独占。アメリカのお株を奪った小国である。男子1万メートルもアフリカ勢。今の世界が、大国主導で無くなってきた象徴のような気がする。特に中南米の政治的自立化、躍進をも象徴しているようだ。今回の北京は、メダル獲得国が、大国主導でなく、アジア、アフリカ、中南米へと多くの国々に移ってきたのが特徴という。国連の場で大国支配が崩れつつあるのと機を一にするようだ。
 早くアメリカやロシアもそれに気づいて、「その他の国の一国」になる覚悟を決めてほしいものだ。それと日本も早くそれに気づくべきであろう。アメリカべったりではなく、また国威発揚一辺倒ではなく、平和な世界の雑多な一員の日本という、「名誉ある位置」を自覚しながら「わびさび」で静かに進むのが良いのではないかと思う。
 大企業が国民を犠牲にしながら、「世界に覇を唱える」などという発想は願い下げにしてもらいたいものだ。