火怨

火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

火怨 上 北の燿星アテルイ (講談社文庫)

 蝦夷の棟梁アテルイの物語。久しぶりに爽快な伝記物語を読んだ気がする。以前から「和議だと都へ呼ばれて、だまされて殺された」と聞いて、気になっていた。でも、小説とはいえここでは素晴らしい犠牲と書かれていて、なんだかほっとした。
 小が大に勝つために、考えに考え抜いた戦術戦略を駆使していく。あとへ引けない戦いをどう戦うか、相手の気持ちも考えながら考え、そして・・・。
 現代の労働者や国民の圧制に対する戦いをどう進めるかにも共通するテーマがあるように思う。よかった!!