「ひらきこもり」のすすめ

 腰痛で寝込んだおかげで、読書三昧?でもないか?いつもより少し・・・実は「ひきこもりのすすめ」と読んで借りたのだが?。途中で気がついた。でも冒頭で「ひきこもり」を肯定的に捉えていることは共感がもてた。
 たしかに大企業優先の政治、大企業の働くルール無視の横暴の中で、青年たちが昔の価値観で言うとみじめな状況に追い込まれている。青年の失業率や差別雇用などをとってもそうだ。しかしそれは逆に「資本主義から自分主義に」「遊びの延長を仕事に」「自分をみつけて」と、それぞれの個人の能力を発見し自由に発揮する機会が増えていると位置づける。「好きなことをやろう」と呼びかけている。ネットの状況を意識して、それで新しい社会の萌芽になりそうな予感を持たせる本である。
 網野善治氏の「日本の社会の大転換点は、南北朝と、そして今・・・」という分析(予言?)を地で行ったような本である。たしかにネットやITなどへの過度な期待や、バーチャルへの幻想などすぐさま肯定できない点もある。しかし「個人の全人格的な能力発揮の時代」が来つつあるという著者の実感と展望は、閉塞感の強い現代において新しい社会への萌芽を感じさせるものとして大変に共感できるものである。
 とすれば、いちおうの社会的貢献(会社勤め)を終えた我などは、これからは好き勝手に生きて、全面的能力発揮をあと40年くらい続けるのが義務、あ、いや、何だろう。戯れに遊んで・・・、社会の科学的全面発展に結果として??寄与すればいいとするか?。
 と、ついつい100歳までの人生を宣言してしまう今日である。何と今日は60歳最後の日。あすは誕生日で61歳になる。