山の民

 こういう名の小説を図書館で借りて読んだ。江馬修という人が、飛騨地方の「梅村騒動」という明治になってからの一揆をテーマに、戦前戦後と書き連ねたものである。
 すごいものだ。明治維新と言われるが、その実態は「王政復古」であり、歴史を逆転させて「王(天皇)」の名の元に絶対的な支配を強いて、国民を帝国主義的な他国侵略へと駆り立てたものであることの実態がよくわかる。ある意味では庶民にとっては江戸時代のほうが暮らしやすかったのではないだろうか?そういう点では、私の歴史認識もまことに甘いものだったと、反省しきりである。
 最近見た「北の零年」という映画。まだ見ていないが「草の乱」という秩父一揆をテーマにした映画。どれも明治政府の圧制に立ちあがった人々の姿が描かれていた。
 この3つで共通して思うのは、「憲法9条」を改悪して戦争のできる国を目指すたくらみである。許せない。明治の初めに立ちあがった人々と、我は共にありたいと願う。

山の民〈上〉

山の民〈上〉